2012年03月10日(土)
荒木経惟の90年代展示作品のプリントのメモ [写真展]
宮本三郎美術館「荒木経惟 II −人・街」にて、荒木経惟90年代初頭の作品のゼラチンシルバープリントによるオリジナルプリントを見て感じたことのメモ。
主にプリントの特徴、構図の取り方などを方法論的に注目して記録したメモであり、作品の感想メモではない。
さすがアラーキーの写真からは、プリントや構図の見本対象としても得るものが多い。
(1) カラーは、コントラスト強め。原色のRGBが強調されている。濃いめの発色。荒木はプリントでも原色をRGBで意識しているみたい?一昔前のDPEプリントみたいな色。ネガで撮っている?
(2) カラー写真の白は綺麗に、あくまでも白く。
(3) 白黒は曇りの日写真は、コントラスト弱め。白もグレー気味にコントラストの中で表現。カラーのように綺麗に白くはない。
(4) 白黒のコントラスト強め作品はシルエットを上手く使っている。こちらは白は綺麗に白だが、飛ばさない。影は黒くつぶし気味。
(5) 全体に絞って深い被写界深度で街の光景を撮っている。シャッター速度遅めで被写体の動きを止めない撮り方。
(6) 構図は三分割を厳密に守ったり無視したり自由自在。カチッとした構図と、ノーファインダーのような構図が混在。
(7) 妻の荒木陽子さんが亡くなる前と後では、彼女に見せる、見られることを前提とするか、それを意識していないかの違いがある?構図の取り方、絵の作り方に、特定の誰かに見せる事を前提とするか、しないかの違いを感じる。穿ち過ぎ?
宮本三郎美術館では、図らずもギャラリートークに遭遇。作品の背景などを聞けた。
しかし、カラー作品がネガプリントなのか、ポジプリントなのかは不明とのこと。
写真家によるプリント作品は、人によってカラープリントの色彩がかなり異なる。勿論、モノクロでも作家毎の違いはあるのだが、カラーの違いの方が大きいように思う。
自分のプリントは、まだまだ研鑽が必要だなぁ・・・。
Posted by Julian at 18時41分 トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
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